沈黙-サイレンス-
★★★★★
遠藤周作原作、名称マーティン・スコセッシ監督作品。
キリシタンの弾圧が行われる17世紀中頃の長崎、行方不明となった師を探して、2人のポルトガル人司祭がその地を訪れるところから始まる。
暴力的な弾圧と厳しい困窮にあえぐ長崎のキリスト教徒たちと出会い、キリスト教の普遍的な教え、「真理」を伝える司祭たちだったが、想像を超える弾圧によって苦しむ人々を前に、沈黙したままの神への疑念が芽生えていく。
自分の出身地・長崎で行われたキリスト教弾圧については、歴史的な事実として知ってはいたつもりだった。しかし、それがどれほど厳しいものであったのか、弾圧を前に人々はどのように振る舞ったのか、なぜ人々は弾圧のなかでも教えを求め、信仰を捨てようとしなかったのか、日本にやってきた伝教師たちは何を経験し、どんな生活を送ったのか、なぜキリスト教はあれほど厳しく弾圧されなければならなかったのか・・・こうしたことについて、自分は何も知らないのだと、この映画を観て思い知らされた。
スター・ウォーズ/最後のジェダイ
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★★★
戦闘シーンは圧巻の迫力だったが、サブのストーリーラインが多い&それらが回収しきれていない、ところどころ違和感がある描写が目につくなど、やや不満が残る内容でもあった。
カイロ・レンのこじらせ具合が増していて、そこは期待を裏切らない内容。
ダンケルク
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★★★★
クリストファー・ノーラン監督作品。
4Dで観たが、音響が凄すぎて、途中で気分が悪くなった。
わたしは、ダニエル・ブレイク
★★★★★
ケン・ローチ監督作品。イギリス社会のなかで貧困に直面した人々の生活と、そうした人々の視点からみた社会保障・福祉制度の有様について描いた作品。
この映画は、日本語版の予告編で謳われているように、「人生は変えられる」ということを伝える映画などでは、決してない。
また、制度に翻弄される人々がいかに懸命に生きているかを描き出し、人間の生のたくましさなどをドラマチックに描いた作品でもない。
この映画は、既存の社会保障・福祉制度の大部分が、様々な要因で経済的困窮に陥った人びとが人間としての生活を取り戻すための一助たりえていないという事実、くわえてそうした制度が、彼ら彼女らの尊厳の回復にではなく、その喪失に拍車をかけているという実情を描き出している。
そしてこうした事態は、決してイギリス社会だけに特有の問題なのではなく、日本を含めた多くの先進諸国において観察されるものだろう。
では、なぜ既存の制度は、困窮する人びとの生活を支援するために十分機能できないのか。なぜ、既存の制度は、ときにそうした人びとの尊厳を奪うようなものになってしまうのか。こうした問いを考えるうえで、この映画には大いに示唆的なセリフやカットが数多く含まれている。
たとえば英語が得意でない私にとっては、事務所のケースワーカーと主人公・ダニエルの会話を字幕なしで聞くだけでいくつかのことに気づくことができる。ケースワーカーは私にも聞き取れる「フォーマルな」英語を話しているのに対し、ダニエルの訛った英語はほとんど聞き取ることができない。すでに話し言葉の水準で、「制度」と「クライアント」のあいだにはギャップが存在しているのである。
ゆきゆきて、神軍
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★★★★
元陸軍兵である奥崎謙三が、みずからが戦時中に所属していた独立工兵隊第36連隊において、終戦後に「戦病死」した兵士の死の真相を追う様、そのきわめてシリアスかつコミカルな様子を記録したドキュメンタリー。
奥崎という人の風変わりな個性と同時に、彼と同行するなかで浮かび上がってくる終戦前後の日本軍の惨状が伝わってくる。