映画ログ

これまで観てきた映像作品の備忘録

護られなかった者たちへ

これは、すばらしい映画だ、と思った。 震災と生活保護という2つのテーマがどのように関連づけられているのかは必ずしも明確ではないが、以下のセリフがそれを物語っているのだろう。 「震災は、怪物。 私たちが立ち向かうこともできない。 突然来て、全部壊…

この自由な世界で

ケン・ローチ監督作品。イギリス・ロンドンにおいて女性労働者と移民が置かれた悲惨な状況と、そのなかで両者が奪い・奪われる関係を描く。職業紹介業を開業し、移民たちを搾取する主人公アンジーが、なぜそうした危ない橋を渡らざるをえないのかといえば、…

劇場

又吉直樹原作。演劇の世界を志す永田と、女優を目指して上京した沙希がともに生きた青春時代を描く。 永田がクソ野郎だとの評価が目に付く。演劇の世界で認められたいという夢が実らず、かといってその夢を捨て去ることもできず、どこか宙に浮いた日々を送る…

ロブスター

ヨルゴス・ランティモス監督作品。パートナーがいない人間は動物に変えられるというルールが支配する主流社会と、恋愛をすれば処罰が下される強権的リーダーが支配する「森」の狭間で生き抜こうとする男性の物語。 どうやらこの世界では、2人の人間が恋愛関…

めぐり逢えたら

原題はSleepless in Seattle(「シアトルの眠れぬ男」)。トム・ハンクス演じるサムが、メグ・ライアン演じるアミーに対して恋に落ちる理由がよくわからなかったが(一目惚れ? 「前に見たことある気がする」というのは伏線?)、コメディの要素もありつつ面…

コーダ あいのうた

合唱祭のシーンの演出など、随所にすばらしいと感じるポイントがあった。しかし、映画の中では描かれたなかった余白の部分が、どうしても気になってしまう。エミリア・ジョーンズ演じる主人公ルビーに嫌がらせをする学校の雰囲気は変わらなかったのか。周囲…

パラサイト:半地下の家族

リアリティに乏しかった。

女王陛下のお気に入り

女王の側近と没落貴族の侍女が繰り広げる、女王の「お気に入り」ポジション獲得闘争。 ラストのシーン、エマ・ストーン演じるアビゲイルが、オリヴィア・コールマン演じる女王を下から睨め付ける表情に思わず声が出た。

スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム

アバウト・タイム

恋人をつくるためにタイムトラベルをくりかえす男の半生。個人的には,父親と砂浜を歩く時間をくりかえすシーンがグッときた。

ラブ・アクチュアリー

クリスマスの時期に何度も観たくなる映画。今回は,アラン・リックマンとエマ・トンプソンが演じる夫婦がとくに好きだった。

グリーン・ブック

喧嘩っぱやいイタリア系白人男性と,天才的な黒人ピアニストとが,1960年代のアメリカ南部を旅する様子を描いた作品。ドクター・シャリーを演じたマハーシャラ・アリの演技が光る。

ノマドランド

トレーラーで寝食を過ごし働きながら生活する人々――放浪者(ノマド)――を描いた作品。わかりやすい物語へと還元せず,ノマドたちの生き方をヴィヴィッドに描いている点に好印象をもった。また,リンダ・メイやスワンキーといった主要な登場人物が実際のノマ…

山谷――やられたらやりかえせ

日雇い労働者たちが集う1980年代中頃の東京・山谷を主な舞台としたドキュメンタリー。「労務支配」がいかなる構造のもと成り立っているのかを,山谷のみならず,釜ヶ崎をはじめとした全国各地のドヤ街,炭鉱業が衰退した筑豊地域への取材をもとに描く。「『…

ゴッド・スピード・ユー! BLACK EMPEROR

「ブラックエンペラー」の新宿支部で活動する若者たちやその家族などを取材したドキュメンタリー。おそらく一緒にバイクに乗って記録されたのであろう迫力ある映像と音,「ブラックエンペラー」内部の人間関係の描写がとりわけ印象に残った。

精神0

精神科医・山本昌知さんとその妻を中心に描いたドキュメンタリー。山本さんを「先生」と慕い,しきりに感謝の言を述べる患者さんたちの様子を見て,医師という職業がもつ権威と,ケアにおける役割の特殊性について考えさせられる。

バクマン。

『ジャンプ』への連載を目指す高校生漫画家たちの挑戦。天才に叶わないと悟った凡才たちが,「王道」を捨てて「邪道」で挑戦していく展開がいい。 「王道」で挑む彼らは勝ち負けに固執していたが,「邪道」を我が道として選んだ彼らは,勝負には「負け」ても…

私の頭の中の消しゴム

情熱的な出会いを果たした男女が、若年性アルツハイマーという病に遭遇しながら、懸命に愛を紡ごうとする物語。 病のことを知った2人がバッティングセンターで出会う場面、記憶をなくしていくことへの怖れと悲しみを、2人の思い出に残る言葉で表現する脚本が…

スタンドバイミー

12歳の少年たちが、線路の先にあるという死体を目にするため、小さくも未知に溢れた冒険に出かける。友と横並びに歩いて話をした、宝石のような時間があったことを、この映画は思い出させてくれる。 「12歳のときのような友だちは、もうできない。もう二度と…

猟奇的な彼女

随所に埋め込まれた笑いポイントに思わずクスリとしてしまうラブストーリー。最後の結末は予想外のかたちで伏線が回収されてびっくり。

ジョジョ・ラビット

ヒトラーユーゲントにも参加し、ナチスを信奉する少年ジョジョが、自宅に隠れ住んでいたユダヤ人女性エルサとの出会いなどを通じて次第に変わっていく様を描いたコメディ作品。 ジョジョの友人ヨーキーや、ヒトラーユーゲントの教官クレンツェンドルフ大尉な…

チャーリーとチョコレート工場

2020年の1本目の映画。冒頭(具体的にどのシーンかは忘れてしまった)でグッとくるシーンあり、チョコレート工場の仕掛けはそれぞれが何を意味するのか考えることを促すものだった。その点で楽しく観ることはできたが、最終的に家族は大切だよねというメッセ…

『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』

ポール・トマス・アンダーソン監督作品。山師であるダニエル・プレインビューの狂気溢れる役を熱演するダニエル・デイ=ルイスの演技が光る。 掘削を通して独力で生きてきながらも家族を重んじる主人公ダニエルが、「家族」を失いながら経済的な成功を収めて…

『天気の子』

新海誠監督。個人的には、『君の名は。』よりも作品のメッセージを読み取れたという点で高評価である。

『ジョーカー』

バットマンの宿敵・ジョーカーの誕生を描いた作品。主演はホアキン・フェニックス。

キャプテン・マーベル

MCUシリーズ作品。 ヨン・ロッグに対して「証明する必要なんてない」といい放つダンヴァースが素敵。

トイ・ストーリー4

トイ・ストーリーシリーズ最新作。 「トイ・ストーリー3」がかなりの名作であり,物語の完結でもあると思っていたので,続編を出して大丈夫なのかと,正直観る前は心配だった。 しかし,いざ観終わってみると,いい意味で期待を大きく裏切られた。 私たちが…

僕はイエス様が嫌い

アングルが独特で面白い。主演の子役俳優もいい味を出していた。

海獣の子供

予告を観た段階ではかなり期待値が高かったが、本編は内容がやや意味不明。映像と音楽は素晴らしかった。

アベンジャーズ/エンドゲーム

アベンジャーズ・シリーズ完結。観てからしばらくのあいだ映画のことが頭から離れなかった。