「モーターサイクル・ダイアリーズ」
印象的だったのは、彼の誠実な人柄。革命家の片鱗を感じさせない、そのおだやかな性格。しかし、それも旅のなかでのさまざまな人々との出会いを通じて変わっていく。高山での肉体労働者、アンデスの先住民族、そしてハンセン病患者。社会の周縁においやられ、虐げられて生きる人々を見ていくうちに、ゲバラ青年は、大きな問題意識をいだくようになり、「革命」、「南アメリカ大陸の統一」という考えをもつようになる。この映画からは、その思想形成の一端を垣間見ることができる。
南アメリカ大陸の環境を存分に目で楽しむことができる、美しい映画でもあった。