「世界にひとつのプレイブック」
評価:★★★
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ともに心に傷をかかえた男女が出会い,次第に人生を取り戻していく物語。精神に異常をかかえる主人公をコミカルに描きながら,現代人がかかえる葛藤や苦悩を表現している。
印象的だったのは,うつ病をかかえる主人公や過去に夫を亡くしたヒロインのほかにも,登場人物それぞれが「心」に問題をかかえている様子がえがかれていた点だ。人は一見,華やかで幸せそうな生活をおくりながらも,どこかで苦悩や葛藤をかかえているものなのかもしれない。精神病院から出た男性は「おれたちは繊細なんだ」と言うシーンには共感。
「――人生は,ときにして人を大いに傷つけるものだ。」