「ブレードランナー」
評価:★★★★
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フィリップ・K・ディックの小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』が原作のSF映画。原作を読んだのを機にDVDを借りて観る。
ストーリーに関しては,原作と異なる箇所が比較的多かった。主人公であるデッカードは原作と同一だが,動物をしきりに欲しがる点などは映画では描かれていなかった。また,主人公と懇意になるアンドロイド・レイチェルや,主敵となるアンドロイド・バッティなどのキャラ設定は,原作と多くの点で異なっていた。
本作は,SF映画の金字塔として知られているようで,映像や音響の美しさにはたしかに目を見張るものがあった。が,ストーリー自体については,個人的には原作のバージョンのほうが面白みがあったように思う。原作のなかで,人間とアンドロイドとの比較描写によって提示される「人間とは何か」というテーマが,映画ではあまり顕在化していなかったように思えた。