映画ログ

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「最強のふたり」

 

 評価:★★★★★

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実話をもとにしたドラマ。

主人公は、下半身不随の障害者となった富豪・フィリップと、貧困家庭に育ちながらひょんなことからフィリップの世話係となったドリス。障害をかかえていることもあり周囲に対して壁をつくって生きているフィリップに対し、介護や障害といった概念をもたないドリスは、あくまで彼を1人の人間として相対する。そうしたなかで、それまで全く異なる世界に生きていた2人は、次第に心を通わせていく。そうした過程を、この映画は終始コミカルに描いている。

障害者の自立生活の困難、移民社会フランスの貧富の格差といった深刻なテーマを背景にチラつかせつつ、作品全体にはつねにどこか陽気な雰囲気が漂う。フィリップとドリスの気の置けないやり取りには、ついつい声をあげて笑ってしまう。これがこの映画の特異なところだ。