映画ログ

観た映画の備忘録

フィッシュストーリー


パンクの波が来るには少し早すぎた1975年、売れないパンクバンドがつくった曲「フィッシュストーリー」が、「風が吹けば桶屋が儲かる」的な展開で世界を救う、という話。

正直、映画が始まってすぐに、こういうストーリーであることは予想がついたが、それでも、異なる時空間を行き来しながら、なんの“因果”か「フィッシュストーリー」と結びつきをもってしまった人びとを描いていく展開は、観ていておもしろかった。

とはいえ、映画最後のタネ明かしを観たあとでも、「フィッシュストーリー」という曲が世界を救った、とはどうしても考えにくい。

たしかに、濱田岳演じる男子大学生が女性を救う決断をする際には「フィッシュストーリー」がバックに流れるが、彼の決断を決定的に後押ししたのは、直前に別の女性を助けられなかったことへの後悔であったようにも、少なくとも観る側には理解できる。

それに、その男子大学生が自分の息子を「正義の味方」として育てようとしたのが、「フィッシュストーリー」の影響によるものだったかどうかについては、映画のなかでは明らかにされていない。

このように、「フィッシュストーリー」という曲が世界を救った、と言えるような因果連関、あるいは出来事の連鎖が生じたと理解することは、少なくとも僕にとっては少々無理があるなあという感想をもった。

映画自体はフツーにおもしろい。