映画ログ

観た映画の備忘録

カンパニー・メン


巨大企業「GTX」の造船部門で販売部長として働いていたボブは、リーマン・ショックの影響を考慮した人員整理によって突如解雇されてしまう。腕利きの営業マンとして年収16万ドルを稼ぎ、豪華な邸宅を構えポルシェを乗り回していたボブは、すぐに次の職が見つかるだろうと、就職支援センターに足を運ぶ。しかし、無意味な再就職セミナーを受講し、履歴書を大量に送ってもなお、仕事は決まらず、ボブとその家族の生活は次第に不安定になっていく。

リーマン・ショックの煽りを受けた大量解雇によって失業したサラリー・メンとその家族の生活が、次第に、しかし着実にその安定を失っていくさま。しかし、そうした新たな環境に対して、これまで維持してきた生活の“型”を適応させていくことの難しさ。それらを如実に描いた作品。たしかに、主人公であるボブは、そうした困難さを乗り越え、新たな生活の“型”を模索していく。しかし、そこに至る道程は険しく、また新たな生活それ自体も決して安定したものであるとは言えない。

本作のポスターは、英語版と日本語版で、そこに記された言葉がかなり違っている。

日本語版:「どんなときも、上を向こう。」

英語版:「In America, we give our lives to our jobs. It's time to take them back.」

本作の内容は、日本語版ポスターにある言葉のようなものではまったくなく、どちらかといえば英語版ポスターのそれに近い。しかし、私が本作をみて理解したのは、どちらのポスターにも描かれた絵に示されているように、サラリー・メンとして雇用され働くことを中心とした生活が、今日いかに「綱渡り」のようなものと化しているのかということである。