コーダ あいのうた
合唱祭のシーンの演出など、随所にすばらしいと感じるポイントがあった。しかし、映画の中では描かれたなかった余白の部分が、どうしても気になってしまう。エミリア・ジョーンズ演じる主人公ルビーに嫌がらせをする学校の雰囲気は変わらなかったのか。周囲から浮いていたルビーはどうやって合唱クラブに馴染むことができたのか。そして、ルビーが家を去り、通訳がいなくなったロッシ一家は、これからどうやってやっていくのか。通訳者を雇っているように見えたが、そのお金はどうやって捻出するのか。なぜ、通訳という支えを家族もしくは市場から調達するしかなく、そこに公的な支えがないのか。こうした疑問には直接タッチしないスタンスなのかもしれないが、そうすることで、ストーリーの厚みやリアリティが失われてしまっているように感じた。
Joni MitchellのBoth Sides Nowは、やはりすばらしい曲だとあらためて感じた。
パラサイト:半地下の家族
リアリティに乏しかった。
女王陛下のお気に入り
女王の側近と没落貴族の侍女が繰り広げる、女王の「お気に入り」ポジション獲得闘争。
ラストのシーン、エマ・ストーン演じるアビゲイルが、オリヴィア・コールマン演じる女王を下から睨め付ける表情に思わず声が出た。