「アメリカン・ビューティー」
「ユージュアルサスペクツ」や「セブン」などに出演しているケヴィン・スペイシーが主演を務めるアメリカ映画。第72回アカデミー賞作品賞受賞作。
1.アメリカ家族の崩壊をコミカルに描く
「アメリカン・ビューティー」という皮肉なタイトルだが、アメリカにおける家族の崩壊が映画のメインテーマ。平凡な家族の安定が、主人公である父親が娘の同級生に恋に落ちたことをきっかけに、少しずつ崩れていくさまが描かれている。
…と、ここまでは映画を観る前からある程度知っていたのでそれほどインパクトがあるわけではなかったのだが、エンディングがちょっと衝撃的。妻にも娘にも憎まれた父親が最期に思いを馳せるのは、限りなく崩壊してしまった家族とその思い出なのである。
コメディとして楽しみながら、家族や社会問題についても深く考えさせられる作品になっている。
2.ケヴィン・スペイシーの圧巻の演技
「ユージュアル・サスペクツ」や「セブン」で味のある演技を見せていたケヴィン・スペイシーが、やはり圧巻の演技を見せている。この作品で、彼はアカデミー賞主演男優賞を受賞したらしい。前の2作では、ザ・悪役を演じていたが、今回はコミカルであり最終的には可哀想なキャラ設定となっている。
いま調べて知ったのだが、ケヴィン・スペイシーはあの「ソーシャルネットワーク」の製作総指揮も務めたそうだ。まさに映画の申し子といったところ。