映画ログ

これまで観てきた映像作品の備忘録

沈黙-サイレンス-

 

 ★★★★★

遠藤周作原作、名称マーティン・スコセッシ監督作品。

キリシタンの弾圧が行われる17世紀中頃の長崎、行方不明となった師を探して、2人のポルトガル人司祭がその地を訪れるところから始まる。

暴力的な弾圧と厳しい困窮にあえぐ長崎のキリスト教徒たちと出会い、キリスト教の普遍的な教え、「真理」を伝える司祭たちだったが、想像を超える弾圧によって苦しむ人々を前に、沈黙したままの神への疑念が芽生えていく。

自分の出身地・長崎で行われたキリスト教弾圧については、歴史的な事実として知ってはいたつもりだった。しかし、それがどれほど厳しいものであったのか、弾圧を前に人々はどのように振る舞ったのか、なぜ人々は弾圧のなかでも教えを求め、信仰を捨てようとしなかったのか、日本にやってきた伝教師たちは何を経験し、どんな生活を送ったのか、なぜキリスト教はあれほど厳しく弾圧されなければならなかったのか・・・こうしたことについて、自分は何も知らないのだと、この映画を観て思い知らされた。