映画ログ

これまで観てきた映像作品の備忘録

女王陛下のお気に入り


女王の側近と没落貴族の侍女が繰り広げる、女王の「お気に入り」ポジション獲得闘争。

ラストのシーン、エマ・ストーン演じるアビゲイルが、オリヴィア・コールマン演じる女王を下から睨め付ける表情に思わず声が出た。

ラブ・アクチュアリー

クリスマスの時期に何度も観たくなる映画。今回は,アラン・リックマンエマ・トンプソンが演じる夫婦がとくに好きだった。

グリーン・ブック


喧嘩っぱやいイタリア系白人男性と,天才的な黒人ピアニストとが,1960年代のアメリカ南部を旅する様子を描いた作品。ドクター・シャリーを演じたマハーシャラ・アリの演技が光る。

ノマドランド

トレーラーで寝食を過ごし働きながら生活する人々――放浪者(ノマド)――を描いた作品。わかりやすい物語へと還元せず,ノマドたちの生き方をヴィヴィッドに描いている点に好印象をもった。また,リンダ・メイやスワンキーといった主要な登場人物が実際のノマド(しかも本名)であるという点には驚いた。

気になったのは,作品に登場するノマドたちの多くが白人であったということ。非白人の人々にとって,ノマドという生き方は選択しづらい(できない)ものなのだろうか。

山谷――やられたらやりかえせ

日雇い労働者たちが集う1980年代中頃の東京・山谷を主な舞台としたドキュメンタリー。「労務支配」がいかなる構造のもと成り立っているのかを,山谷のみならず,釜ヶ崎をはじめとした全国各地のドヤ街,炭鉱業が衰退した筑豊地域への取材をもとに描く。「『炭鉱夫』たちはどこへ行ったのか」というこれまで抱いてきた疑問に,ひとつの見通しを示してもらったような気持ちがした。

作品の上映終了後,会場となった国立映画アーカイブの建物の外で,作品に関するビラを配る活動団体の方たちがいた。私もビラを受け取ったのだが,その際,国立映画アーカイブの警備員らしき人たちが出てきて,ビラを配る人びとを注意しはじめた。労働者が受けてきた差別と抑圧を描いた作品の上映会場でこのような光景が見られたのはなんとも皮肉である。