「ギルバート・グレイプ」
評価:★★★★
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ジョニー・デップ主演、レオナルド・ディカプリオ出演のヒューマン・ドラマ。アメリカの寂れた田舎町に暮らす青年・ギルバート・グレイプとその家族は、その閉塞的な生活に不満を募らせながらも、それから脱することができずにいる。ギルバートは、知的な障害(おそらくダウン症)を抱える弟・アーニーを可愛がり、その面倒をみているが、そうしたみずからの暮らしにもどこか満ち足りないものを感じている。ある日、キャンピングカーで旅をする少女・ベッキーと出会ったことで、ギルバートとアーニー、そしてのその家族たちの生活が少しずつ変化していく。
アメリカの寂れた田舎を舞台にした叙情的な描写が個人的には好印象。弟を愛し、他者に対してもつねに好意的に振る舞うギルバートではあるが、そのどこか鬱屈とした表情には、青年期独特の悩みのようなものが感じられ、共感できるところもあった。また、ダウン症であるアーニーの役を見事に演じたレオナルド・ディカプリオの演技力には感服。