映画ログ

これまで観てきた映像作品の備忘録

Ready Player One


スティーブン・スピルバーグ監督作品。

2045年の世界では人びとが社会問題の解決を諦め、仮想現実「オアシス」のなかでみずからの望みどおりの生活を送っていた。主人公ウェイド・ワッツもまたそうした生活を送っており、「オアシス」の創始者ハリデーが遺した“エッグ”——これを獲得した者は「オアシス」の経営権を相続する——を探し求めていた。一方では同志や敵たちと現実/仮想現実を跨いだ競争を繰り広げ、他方では謎に包まれたハリデーの過去に迫りながら、ウェイドはエッグへの道のりを進んでいく。

荒廃した現実世界と、何でもありの仮想現実とのあいだを登場人物たちが行き来しながら物語は展開していくが、その前提となる設定がよくわからないような箇所がところどころある。たとえば、「オアシス」では企業が利用者を強制労働に従事させるなど、明らかな違法行為ともとれる行いをしているにもかかわらず、政府による介入がなされていない(例外のケースもけれど)。ではこの世界で、国家や政府というのはどのような存在なのだろうか。他方で、ほとんどの人びとが賃労働に励むことなく「オアシス」のプレイに勤しんでいるようだが、生活を営むために必要な金銭などはどのようにして獲得しているのだろうか。「オアシス」で得られるコインは、現実世界の貨幣と交換可能なのか、否か。こうした設定は曖昧なままである。

それでも、個人的には、「オアシス」の世界はとても魅力的だ。とりわけこの作品には、様々なゲームやアニメのキャラクターが登場するなど、数多くのオマージュが盛り込まれている。それら作品のファンにとっては興奮まちがいなしだ。